Y上さんの結婚式
’94.10




会社の同期入社の仲間のなかで一番美人だったけど一番親しくなかった
Y上さんの結婚式に「人伝に」招待された。
二次会じゃなく披露宴に来て欲しいって言ってるよって人から聞いても
行く気がすると思うか!しかも3連休の中日だ。
・・・って結局いったんですけど・・・。





物見遊山で行くか。

会場は都会の中の緑の杜、目黒のH園。
会社の同期はなぜだか男ばっかり結婚してしまい、女性ではY上さんが
一番のり。でもね、彼女を含めて女性は入社一年余りで相次いで退職して
当時はもう3人しか残っていなかった。(今は私一人だよTT)
冷たい言い方だが、私はY上さんをあまり仲間のように認識していない。
ま、有名な会場で金かけてやるのを見てみたいし、彼女は森高似の美人なので
花嫁姿が奇麗だろうな、程度の田舎のオバサン的なノリで挑む。

しかし、有名な式場は花嫁ラッシュだった。



ここはディズニーランドか!?

ロビーにいるとドレス姿や白無垢姿の花嫁が行き来している。
つい、あっちのお嫁さんの方が奇麗だね、なんつう話をしてしまう。
やがて係の人がきて間もなく始まるので移動するように言われた。
式はチャペルで行われるので庭園を横切って移動する。さあ、これで
着席して始まるぞ、と思いきや、チャペルの建物の中にはいくつもの部屋が
あり一番奥の部屋のドアの前で3列に並んで待つように指示された。
他の部屋でも同時に式が執り行われているのだ。待っている間に向こうの
部屋からまたもや花嫁が出てくる。
こちら側は前方に親族、右側に花嫁側と、細かい指示通りに並び、ドアが
空くとぞろぞろ進まされる。満員時のディズニーランドのアトラクションかい!



まあ、花嫁が主役なんだし・・・

式の後は庭園で記念写真なんか撮ったりしたけど、やはり他の花嫁が横切る。
何故だか時間に余裕が無くこちらの花嫁もすぐにつれていかれちゃった。
そして、披露宴。
新婦は結婚の一年以上前に退職していたにも係わらず、結婚の為の退職と
紹介される。実状を知ってる人間を呼んでおきながらそれはないよなあと思う。
お色直しは2回。
まずは式の時の純白のドレスで登場し、仲人に紹介され、主賓の挨拶、乾杯が
済んだあたりで二人で居なくなった。
再登場はピンクの打掛姿。洋装から和装への変身は時間かかるよね。
こりゃあご両親の希望だね。その後少しして新婦が消える。その後新郎も退場。
新郎一人の退場はとってもおマヌケ。
この2度目の二人がいない時間はスライド上映でつぶす。
場内が暗いのをいい事に、必死にローストビーフを食てたら、明るくなった時
私の皿だけ空っぽで、恥ずかしかった。(^^ゞ
再々登場はまた洋装で新婦はブルーのカクテルドレス。
しかし、この時はテーブルの上はすでにデザートとコーヒーだったのであった。



いくらなんでも、それはないぜ

カレー皿とスプーンのセット5客組の重い引き出物を引きずるように帰宅。
Y上さんは確かに奇麗だったが、普段から美人なので花嫁に期待する
「化ける」的な美しさが感じられなかったねなんて他の子と話した。

後日。
同期会があり男子社員たっての希望でY上さんが呼ばれた。
帰り際に彼女の結婚の話になり、実は彼女の結婚はかなり金銭的に新婦側の
実家の援助があり、新居の頭金も実家持ちだそうで、当日の御祝儀は
まるまる儲けになった事を知った。
ケロッとした顔でY上さんがのたまった言葉で私をはあの式に出席したことを
ひどく後悔した。

「みんなからのお祝い金で私このバッグ買っちゃったの。アリガトね」




猫屋結婚相談所に戻る

猫屋萬年堂に戻る